補陀洛山寺は、仁徳天皇の治世にインドから熊野の海岸に漂着した裸形上人によって開山されたと伝わる古刹です。 時代は平安時代から江戸時代にかけて、海の向こうへ渡る者は補陀洛渡海として観音浄土である補陀洛山へと浜の宮(那智の浜)から小舟で旅立ちました。 『熊野年代記』によると19人の僧が補陀洛山に往生しようと試みた事が記録に残っており、これを「補陀洛渡海」と言います。 また、江戸時代までは大伽藍を有していましたが、文化5年(1808年)の台風で倒壊しました。現在の本堂は、平成2年に再建されています。

ご本尊(秘仏) 三貌十一面千手千眼観世音菩薩(重要文化財)